トリマーとして独立・開業は可能?
独立・開業は可能!将来性のある仕事
開業には実務経験と準備が必要
トリマーが独立・開業をすることはもちろん可能です。
ただし、そのためにはトリミングの技術を身につけ、実務経験を積むことに加え、店舗運営のノウハウや集客方法についても学んでおく必要があります。
トリミング技術やサービスそのものが商品となるため、どのような経験を積み、どのようにスキルを活かすかが開業への道につながっていきます。
ペット業界の将来性について
トリマーとしての独立や開業を考えるうえで、ペット業界全体の将来性が気になる方も多いでしょう。
ペットの飼育頭数そのものは大きく伸びていない一方、ペットを家族の一員として扱う価値観が根付き、ペット用品やサービスへの支出は年々増加傾向にあります。
※グラフ引用:経済産業省/ペット産業の動向-コロナ禍でも堅調なペット関連産業-
経済産業省が2022年に発表したペット産業の動向データでも市場が堅調に推移していることが示されました。
飼い主が自身のペットにより多くの費用をかけるようになってきており、ペットへの関心やニーズの高さがうかがえます。
ニーズに合ったサービスが成功のカギに
今後トリマーとして独立・開業を目指すなら、飼い主のニーズに合ったサービスを提供できることが重要です。
顧客の期待に応える工夫を取り入れることで、継続的な支持を得られ、将来性のあるサロン運営につながるでしょう。
トリマーが独立・開業する方法は?
さまざまな独立・開業の方法がある
トリマーとして独立・開業をしていく方法はさまざまです。
代表例として、フリーランスで独立する場合と、ペットショップやペットサロンを開業する場合について以下に解説します。
(1)フリーランスのトリマーとして独立する
顧客からの信頼を得る
フリーランスのトリマーとして働く場合は、確かな技術と安定して多くのお客様から指名を貰えるほどの信頼が必要となります。
飼い主の方から信頼してもらうには、普段からお預かりしている大切なペットの些細な変化も見逃さない、きめ細やかな対応が大切になってきます。
幅広い知識と経験が必要
トリミング技術のほかにも、ペットに関する幅広い知識を身につけることで、飼い主の多様なニーズに応えることができます。
たとえば、しつけやダイエットなど飼育管理の分野に精通していれば、トリマーとしてだけでなく、アドバイザーとしても活躍の道が広がるでしょう。
フリーランスのトリマーとして働く方法
訪問型のトリミングサービス
店舗を持たずに個人でトリミングサービスを始める場合、自宅や飼い主のもとへ訪問して施術をおこなうスタイルなどが考えられます。
テナント料や光熱費といった固定費がかからないため、店舗型に比べて初期費用を安く抑えて始められるのが大きなメリットです。
ただし、訪問型ならではの注意点もあります。
- 作業環境が毎回異なる
- 対応エリアの設定や移動手段(車は必要かなど)を事前に検討する必要がある
こうした点を踏まえ、自分のスキルや状況に応じて無理のないサービス設計を考えましょう。
また、個人での開業には集客も欠かせません。
広告の活用やSNSの発信など、予算に応じた方法を選択することも成功のポイントになります。
サービスの提供内容を決める
フリーランスのトリマーは基本的にすべての作業を1人で行うため、作業効率や時間単価を考慮して、提供するサービスを検討することが大切です。
トリミングを行う場合は、シャンプー・カット・ドライヤーが基本となり、時間も工数も多くかかります。
一方で、耳掃除・爪切り・健康チェックといったグルーミングに特化すれば、作業時間を短縮できるためフリーランスとして始めやすいスタイルといえるかもしれません。
ペットショップやペットサロンと契約する
フリーランスのトリマーとしては、ペットショップやペットサロンと契約し、仕事が入った場合にトリミングを担当するという手段もあります。
広告費をかけずに仕事が受注できるため、コストパフォーマンスが高い働き方といえるでしょう。
ただし、雇用ではなく業務委託での就労となりますので、報酬の計算方法(時間単位か件数単位か)や勤務時間については契約先への交渉・確認が必要です。
複数掛け持ちをする場合は、バッティングなどに注意し、契約先に迷惑がかからないスケジュール調整も重要となります。
第一種動物取扱業の登録は必要?
飼い主の自宅へ訪問し、飼い主の目の前でトリミングを行う訪問型のサービスであれば、原則として第一種動物取扱業の登録は不要とされています。
ただし、飼い主の外出中に施術を行うなど、一時的にでもペットを預かる場合は「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要になります。
また、自治体により判断が異なる場合もありますので事前に確認しておくといいでしょう。
自宅サロンや店舗をかまえてトリミングを行う場合も「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要です。
サービスの幅を広げたり、トリマーとして長く続けていくためにも、登録しておいた方が安心して仕事ができるでしょう。
(2)ペットサロンやペットショップの開業・経営
店舗経営スキルやノウハウが必要
ペットサロンやショップで開業独立する場合は、自身のトリマーとしての技術や経験以外に、店舗経営のスキルやノウハウを身につける必要があります。
トリミングの技術や知識だけでは、サロンやショップ経営は難しいものです。
開業準備(独立資金の調達や必要書類の申請など)を済ませたら、店舗を経営していくための集客方法などを学んでいきましょう。
差別化し独自のカラーを出す
トリミングだけにとどまらず、ドッグカフェやペットホテルなどのサービスを併設することで、他店との差別化を図ることも一つの方法です。
競合が多い中で選ばれるサロンを目指すには、自分らしいコンセプトや強みを打ち出し、独自の魅力を形にしていくことが大切です。
ペットサロンやペットショップを始めるには
事業内容と開業予算を決め、資金調達をおこなう
トリミングサロン、ペットショップなどの開業にあたっては、まず事業内容やサービスの方向性を明確にし、必要となる予算を算出することから始めます。
店舗の規模や立地、提供するサービス内容によって費用は大きく異なり、資金調達の方法も重要なポイントです。
銀行からの融資を受ける場合は、事業計画の妥当性や収支見込みが重視されます。
無理のない経営ができるよう、現実的な予算と返済計画を立てることが大切です。
店舗を決める
次に、どこに店舗を構えるかを決めていきます。
以下のような選択肢が考えられるでしょう。
- 商業施設やビルのテナントとして出店
- 自宅の一室をトリミングルームに改装してサロンにする
- ペットショップや動物病院に併設して営業
いずれの形態も、それぞれにメリット・デメリットがあるため、開業予算と相談しながら決める必要があります。
また、集客が見込めるかどうかは非常に重要なポイントです。
競合の有無や周辺環境などは事前にしっかりと調査しておきましょう。
第一種動物取扱業の登録をする
開業にあたって 、事業内容が以下のいずれかに当てはまる場合は、都道府県または市に対し第一種動物取扱業の登録申請が必要です。
登録が必要な事業内容
- 販売(ペットショップなど)
- 保管(ペットホテル、トリミングサロンなど)
- 貸出し(ペットレンタルなど)
- 訓練(ドッグトレーナー、訓練所など)
- 展示(展示会、動物ふれあい施設など)
- 競りあっせん(会場を設けて行う場合の動物オークションなど)
- 譲受飼養(老犬老猫ホームなど)
たとえば、ペットショップを開業して生体販売をおこなう場合は、「保管」と「販売」の登録を申請します。
ペットサロンとしてトリミングのみをおこなう場合は、「保管」の登録だけで問題ありません。
しかし、ペットホテルを併設するなど、トリミング以外のサービスを提供する場合は内容に応じて必要な登録種別が追加される場合があります。
なお、登録申請時には、事業所ごとに常勤で専属の動物取扱責任者を選任しなければなりません。
動物取扱責任者は、動物の適正な取り扱いを管理する役割で、一定の資格や経験が求められます。
関連記事 関連記事:ペットシッターに必要な動物取扱業登録とは?登録方法や必要書類についても紹介!
計画的に事業を開始し、スキルの向上で収入アップを目指そう
フリーランスや独立開業でトリマーとして働くと、自分の理想とするサービスや商品を自由に提供できるようになります。
とはいえ、思いつきや勢いだけで始めるのではなく、しっかりとした計画を立てて事業を進めることが成功のカギとなります。
トリマーとしての技術力を高めることに加え、経営や集客に関する知識を身につけることで、安定した集客や収入アップも見込めるでしょう。
トリマーとして一定の経験を積んだ後は、独立・開業を視野に入れてみるのもよいのではないでしょうか。
独立開業するために取得しておきたいトリマー資格
独立してトリマーとして働くには、やはり技術力が重視されます。
豊富な経験に裏打ちされたスキルがあることは強みですが、それを新規のお客様にうまく伝えるのは簡単ではありません。
その点、資格を取得しておくことで自身の技術レベルを客観的に示すことができ、信頼性や集客面でのアピールにもつながります。
ここでは、独立・開業を目指すうえで取得を検討したいトリマー資格をご紹介します。
JKC公認トリマー(認定団体:ジャパンケネルクラブ)
トリマーの資格のなかでも最も知名度が高いのがJKC公認トリマー資格です。
認定団体である一般社団法人 ジャパンケネルクラブ(JKC)は、ペット犬の血統書などを発行している団体として有名です。
ペット業界において幅広く認知されている団体が認定する資格なので、トリマーとしてのスキルを証明しやすいといえるでしょう。
JKC公認トリマーは、「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」の5つのレベルに分かれており、独立開業を目指す場合は、B級以上を取得しておくことが望ましいでしょう
注意点として、B級の資格取得は先にC級を取得していることが前提になっています
初心者から資格取得を目指す場合はまずC級の資格取得を目指しましょう。
JKC公認トリマーの資格を取得できるおすすめスクール
ファーストドッググルーミングスクール(東京都)
【おすすめ講座】チケット制 フリータイムコース
JKC公認トリマーC級のほか、SAE公認トリマー中級など複数の資格を取得可能。フリータイム制で、通える曜日・時間を選んで学べます。忙しい社会人の方でも自分のペースで通学できるのは大きなメリットといえるでしょう。
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群馬トリマー専門学院101GROOMINGSCHOOL(群馬県)
【おすすめ講座】トリマーコース【全日】
JKC公認トリマーやSAE公認トリマーの資格取得を目指せるコースです。お客様が求めるデザインカットやスピードトリミングなど、プロのカット技術を本物のサロンで学ぶことができます。
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アートグルーミングスクール(群馬県)
【おすすめ講座】JKC公認トリマーB級コース
通常は取得に4年かかるJKC公認B級トリマーライセンスを2年で取得できるコースです。実習授業週5日制で毎日繰り返し技術を修得することで、卒業時には即戦力の実力が身につきます。トリミングサロンに来店するすべてのペットを実習でき、現場に近い環境で学べます。
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ユニバースグルーミングスクール(大阪府)
【おすすめ講座】トリマー本科
プロのトリマーを目指す方向けのコースです。1987年開校の関西でも老舗のトリマー養成専門校で、専門のインストラクターがプロとして必要な知識・技術を指導します。
在学生・卒業生向けにJKC公認トリマー資格取得に対応したオプションコースを開講しており、通常のコースと併せて受講することで資格を取得できます。
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ナンバペット美容学院(大阪府)
【おすすめ講座】トリマーコース[本科]1年制 昼間部
JKC公認トリマーC級に対応したコースです。十種中心のカリキュラムとJKC公認トリマーの資格を持つ教師陣の指導で現場で通用するトリミング技術を学べます。進級することでJKC公認トリマーB級、A級といった上位資格を目指すことも可能です。昼間部のほか、夜間部の開講もあります。
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九州サンシャイングルーミングスクール(熊本県)
【おすすめ講座】愛犬美容科
通常は取得に4年かかるJKC公認トリマーB級の資格を2年で取得可能。JKC公認ハンドラーC級や愛犬飼育管理士などの資格にも対応しています。
全国大会で入賞しているトリマーが講師というのもポイント。試験合格率、就職率も高く、多くの卒業生がペット業界で活躍しています。
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JPLA公認トリマー(認定団体:一般社団法人 日本ペット技能検定協会)
1996年より、ペットトリミング・トレーニング技術の統一試験を実施している団体のトリマー資格です。
JPLAはペット業界で必要とされる技能の認定や人材の育成に力を入れており、トリマー資格のほかにも、動物健康管理士や動物介護士などさまざまな資格を認定しています。
JPLA公認トリマーは2級と1級にレベルが分かれており、独立開業を目指す場合は、1級の取得が望ましいでしょう。
なお、2級取得後に1級の資格取得に挑戦できるようになります。
JPLA公認トリマーが取得できるおすすめスクール講座
ヒューマンアカデミー / 通信講座
【おすすめ講座】トリミングプロフェッショナル講座(スクールHP)
JPLA公認トリマー2級取得から段階を踏んで1級取得が目指せる通信講座です。
動物健康管理士とペット販売士の資格取得も目指せるため、独立後は幅広くサービスを提供したい方に最適な講座といえます。
DVDとeラーニングで映像を繰り返し確認しながらの実技練習が可能。
別途、実技研修も提供されているため、通信講座ながらもしっかり技術スキルが磨けるのがポイントでしょう。
関連記事 トリマー資格の種類と難易度は?取得の条件や合格率についても紹介!
まとめ
独立・開業で年収アップも可能
トリマーの年収は、日本の平均年収と比べると低い傾向にあります。
しかし、経験を積み、技術を磨いたうえで独立・開業をすれば、年収アップも十分に可能です。
働き方次第で大きな収入につながるチャンスがあります。
さらに詳しく トリマーのお給料は?
経験・知識・技術が必要
フリーランスとして働く場合でも、ペットサロンやショップを開業・経営する場合でも、トリマーとしての実務経験と専門的な知識、技術は欠かせません。
店舗を持たずに訪問トリマーとしてスタートすることもできるため、比較的スムーズに独立できる職種ともいえるでしょう。
少ない自己資金で開業可能
独立直後は一人で業務をこなすことが多く、人件費が抑えられるのもトリマーの魅力です。
また、トリマーの仕事は物販とは異なり、提供するのは自身のトリミング技術そのもの。設備や仕入れコストが少なく、他業種と比べても低予算で開業しやすい点がメリットです。
ペット業界は今後も成長が期待されており、トリマーとしてのキャリアを積んだ先に独立・開業を目指すことは十分に可能です。
経験を活かして、自分らしい働き方をかたちにしていきましょう。
トリマー資格を目指せるおすすめスクール
ヒューマンアカデミー / 通信講座
初学者からJPLA公認トリマー1級まで目指せる通信講座!
10ヶ月で4つの資格取得を目指せる!独立開業したい方にもおすすめ
スクールホームページ:
ヒューマンアカデミー / 通信講座
群馬トリマー専門学院101GROOMINGSCHOOL(通学/関東)
即戦力として活躍できるプロフェッショナルなトリマーを育成!
スクールホームページ:
群馬トリマー専門学院101GROOMINGSCHOOL
九州サンシャイングルーミングスクール(通学/九州)
人間性あふれる一流のプロを目指す!JKC指定機関校
スクールホームページ:
九州サンシャイングルーミングスクール